のんびりmathematicー数学主婦のブログ

大学院まで数学を専攻していた主婦によるのんびりブログ

本ブログのやくわりなど

色んなところで数学を、「出たとこ勝負!」で教えている主婦のブログです。
大学院まで数学を専攻してましたが、数学者ではないので、よく間違え、よく見誤ります。ごめんなさい。
 
〈やくわり①〉
私の「ネタ帳&備忘録」として。
ルーズリーフに「今日教えること」等をメモしておくのですが、毎回のように、そのルーズリーフメモを「教えてる相手に差し上げてしまう」癖があります。なので、これはもうwebの力を借りて記録するしかないと思いました。
 
〈やくわり②〉
あわよくば誰かに見て頂いて、あわよくば誰かの役に立ってほしい。
特に、様々な事情で学校や予備校等に通えない人、学び直しをしてみたい人などに向けて書きたいと思います。
 
〈やくわり③〉
ねこの写真等も、載せたいです。
 
 
2017/9 まずは、高校数学を中心に整理していこうと思います。
2017/10 「今日の数式」をスタートしました。

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炎上しそうで怖いですが、Twitterはじめました!

お手柔らかに、お願いいたします…。

 

日常をさらしていくことに、怯えています…!!

 

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mipo (@nekomath271828) on Twitter

アイコンをつくってもらいました!~年の近い友人の才能にモヤモヤしながらも、尊敬をこめてお願いすることについて

お久しぶりです。

 

「ブログ書きたいなあ」と思っていたのに、忙しくてエネルギー不足で、なかなか書けず…でした。

心や身体のエネルギーが足りないと、言葉や文って出てこなくなるんだなあ、ということを知りました。

 

そういえば、最近、熱を出したのですが、

そのとき、計算ができなくなってしまって、「体調が悪いと、数学の言葉が奪われてしまうのか」と気づき、自分が自分ではないような気持ちになったのでした。

 

***

ところで、

少し前になるのですが、アイコンをつくって頂きました。

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か、かわいい…

本人は、こんなにかわいくないのですが…

 

このアイコンをつくってくれたのは、前職の同期。

抽象的すぎる無茶苦茶な私のお願いに、一瞬で応えてくれました。すごすぎる。

 

普段はバリバリのシステムエンジニアなのに、ヤングジャンプにマンガが掲載されたことがあるという、不思議な天才同期です。ただものではないのです。

 

いぬいたまきさん。ぜひフォローを…!

twitter.com

 

この方の「すごいなあ」と思うところは、

仕事がどんなに忙しくても、コミケに欠かさず出展してて、絵を描き続けてるところ。そして、その絵を描く世界で、何年も、きちんと生きている。

なかなかできることじゃあないなあって思います。

 

絵のかわいさだけでなく、マンガもシュールで、世界観全開です。

 

こんな逸材が、某IT企業で働いているわけで…、

「広報とかパンフレットとか、担当したら、ちょっとすごいことになるんじゃなかろうか」

とか、勝手に妄想してたりします。活躍してほしいなあ。

 

逸材、ここにいます。

 

***

 

「2018年度、やってみよう!」と思ったことの一つが、

「尊敬する身の回りの人に、恥ずかしがらず、どんどんオファーすること」。

 

その記念すべき一つ目が、今回のアイコンとなりました。

 

***

 

正直、年の近い友人にお願いするのって、ものすごく悔しいです。

相手の才能とか凄さとかを、認めないといけないから。

 

私は30年くらい生きてますけれど、本当に何もなくて、すっからかんです。

特技とか、良いところとか、誇れることとか、全然挙げられません。

数学だって、中途半端にしかできません。

 

だから、身近な人に「あなた、すごい!」って伝えるのって、悔しいし、モヤモヤします。私は、全然そんな段階に行けてないから。

 

悔しいけれど、でも、すごいことはすごいって、相手に伝えていきたいし、

そう伝えたことで、頑張ってもらえたら良いし、

それに、「私には何もない」と認めた上で、歩き出していきたいとも思いました。

 

私が、何も得られなかった30年で、

 

絵を描くこととか

マンガを描くこととか

ソフトウエアをつくることとか

エンジニアであり続けることとか

お客さんをとってこれちゃうこととか

お金を稼ぐこととか

部下や後輩がいることとか

本を書くこととか

文章を書くこととか

子どもを育てていることとか

きれいで魅力的な写真を撮ることとか

建物を設計できることとか

外国語を話せることとか

何かを学び続けていることとか

学校の先生をしていることとか

役者や演出をしていることとか

ライヴをしていることとか

音楽をつくってることとか

楽器を演奏できることとか

スポーツを続けていることとか

外国で働いてることとか

飲み会に誘ってくれることとか

論文を書いて、学会で発表していることとか

料理をつくれることとか

部屋が整頓されていることとか

人と人とを繋げ続けていることとか

 

どれも、私には全然できないことです。

どれも、それぞれの人にとっての日常なのかもしれないけれど、

どれも、少なくとも私には、できないこと。

だから「誰にでも、できることだ。平凡だ」なんて、ぜったい思わないで、心の底から誇ってください。

 

 

たまきさん、本当にありがとう!!心から。

魔法と幸せの言葉のプレゼント。善く生きるって何かしら?

遅くなりましたが…

明けましておめでとうございます。

本年も、よろしくお願いいたします!

 

書こう書こう、と思ってたのですが、帰省などで、なかなかタイミングが見つからず、書けませんでした。

 

帰省は、夫の実家のある青森へ。

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森と雪。

 

「ここに虚数が住んでいるに違いない」

と、しみじみ感じて、何だか、わくわくしてしまいました。

 

虚数は、「2乗すると-1になる数」。

不思議な数です。

 

「そんなものあるわけない!」と否定した数学者も少なくなかったようです。

 

そんな不思議な、「本当にあるの?」と思われてしまう伝説みたいな数が、ひっそりと身を隠すには、雪深くて森があるところがピッタリなのかもしれません。

 

*****

 

思わず数学の話を、たくさんしてしまいましたが、

今回は、2017年にいただいた『ことばのプレゼント』を紹介していこうと思います。

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1.ネガティブなこと言ってても意味ないでしょ。やってみなよ。

この言葉、なんと、小学校低学年の子に言われました。

(私は30才を過ぎてるので、年の差20才以上です)

 

どんなときに言われたかというと…

あるとき、職場で、女の子たちが、シロツメグサを摘んで「お花の冠」をつくってたんです。

一人の女の子が「一緒にやる?」と、私を誘ってくれたんですね。

 

でも、私、すごく不器用で、

子どもの頃、シロツメグサの花冠を上手に作れなかったんです。

 

そのことを思い出して、

「私、すっごく不器用なの。できるかな?」

と言ったら、

 

「ネガティブなこと言ってても意味ないでしょ。やってみなよ」

 

と、誘ってくれた女の子から言われて。

 

すごく核心を突かれたように、ドキッとして、

「はい、やってみます!」

と思わず言って、作り方を教えてもらったのでした。

 

すると…

 

できたんです!!

 

それが、ものすごく嬉しくって。

「わ~、できたー!」って、心が温かくなりました。

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そのときに気づいたんですけど、

年を重ねるごとに、「私はコレが得意!アレは苦手!」っていうのが、段々わかってきてしまうせいか、「苦手なことは、やりません」っていう選択を、知らず知らず、結構してきたなあって。

 

でも、子どもたちって「自分が何が得意で何が苦手か」というのを、まだ自分自身でわかってないですよね。経験が少ないから。

だから、「とりあえず、やってみる。チャレンジしちゃう」っていう姿勢を、大人以上に貫けているなあ、と感じるのです。

 

少し向こう見ずかもしれないけど、「とりあえず、やってみる。チャレンジしちゃう」という思い切った姿勢を、私は忘れてしまってたなあ…と、今回のことがあって、反省したのでした。

 

やってみたら案外できちゃうことって、30才過ぎても、まだまだあるんですね。

小さな先生から教えて頂いた出来事でした。

 

2.もらった以上のものを、ためておくのは良くないから。

この言葉も、小学校低学年の女の子に言われました。

私の周りには、小さな先生が、たくさんいらっしゃいます。

ありがたいです。

 

その子は、バザーで、自分の服を丁寧に選んで、買っていくのだそうです。

そして、その後、バザーに「買ったよりも、多い量の服を持っていく」と話していました。

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その理由は、

「もらった以上のものを、ためておくのは良くないから」

 

これを聞いたとき、思わず、「先生!!!」と言ってしまいました。

 

 

私自身は、若いころ、「親切にされてラッキー」とばかり思ってました。

「おごってもらった!」「○○をもらった!」とか。

 

でも、今になって、徐々に、

「親切って、どこかで返礼していって、流れを滞らせてはならないのだ…」

と、感じるようになってきました。

 

でも、これが、なかなかできなくて。

「自分が一番、得をしたい!」って、どこかで思ってしまいます。

 

しかし、小さな先生は、既に体現されているみたい。

頭が下がります。

 

3.好きなことを、しなよ。

これは、大好きな友だちの何人かが言ってくれました。

 

「周りの視線や批判、世間体が気になる…!」とばかり考えて、がんじがらめになってたところから、解き放ってくれた言葉です。

 

この言葉にとても勇気づけられましたが、一方で、課題のようなものも感じました。

 

この「好きなことをする」って、すごくすごく難しいなあ、って。

 

というのも、「好きなことをする」ためには、「自分が、何を本当に好きなのか」をわかっている必要があります。

 

さらに、そこから、「するべきことを、優先順位をつけて、取捨選択する」ということもしなければならない。

 

さらにさらに、「考えているだけでなく、”する”ために、行動に移す」という思い切った段階も必要になります。

 

どれもこれも、かなり難しいことで、「自分と向き合う」というようなことを必要としてくるので、ちょっと恐ろしいことでもあります。

 

 

私にとって、2017年は「好きなことをするための準備の一年」でした。

 

4.根を張らなければ、伸びあがれない。

これは、年末のヨガのクラスで、インストラクターの方に言われた言葉です。

その方は、ヨガのクラスの最初に、こんなお話をしてくれました。

 

***

今日のテーマは「根を張る」です。

ヨガのポーズは、足元の土台がしっかりしていないと、上半身が伸び伸びとできない。

 

それと同じように、

私たちには、日々色んなことがあって、心がグラグラしてしまう。

そういうときこそ、根っこと繋がること。

 

根を張るのは大事なことです。

でも、根を張ることは、誰にも見えないし、誰も評価してくれない。

それでも、根を張らなければ、伸びあがれません。

***

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この話を聞いて、思わず泣いてしまいました。

 

多くの人は、「行動・言動」を見ます。それで、人を評価します。

だから、根を張ってるときって、「怠けてる、何もしてない」と思われてしまうかもしれない。

 

でも、すごく必要で、大事な時間です。

 

それを、自分に対しても、ちゃんと感じていきたいなあ、と思ったし、

身のまわりの人たちにも、「あ、この人、今、根を張ってるのかな」って思うようにしたいなあ、と思ったのです。

 

この時間がないと、「好きなことをする」ための準備は、きっとできません。

 

5.さいごに

たぶん、この4つの言葉って、つながっていると思います。

そして、私だけでなくて、色んな人に、きっと役に立つ言葉だと信じています。

 

2018年は、この4つの言葉をつなげ、行動していけるといいなあ…と思っております。

 

根を張って、

好きなことをして、

思い切って挑戦して、

いただいた優しさを返礼していく。

 

みなさんにとって、素敵な年になりますように☆

 

※今回は数学の話が少なめでごめんなさい。今年最初は「学び直し」の話からスタートしたい…と画策中です。

2017/12/31 今日の数式〜あなたの一年はコタンジェントのグラフのようにきれいでした。

大きなことがあったり、
思わぬつらいことがあったり、
泣いてしまうくらい、嬉しいことがあったり、
「あ、また、この流れが」と、周期を感じたり。

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たくさんのこと、おつかれさまでした。

 

その場を生きてると、なかなかわからないけれど、遠くから見たら、どの一年も、とてもきれいなんだと思います。

 

 

sinx^cosxのグラフって、そういえば描いたことないような…どんな形なんだろう…と思ったら、こんな形でした。

 

「あ、これは、コタンジェントと仲良くなりそうだ」と思って重ねたら、やっぱり仲良くなりました。

 

 

これを読むあなたに。
グラフを、よかったら受け取ってください。

 
あなたの人生が、遠くから見て、感動するくらい必ずきれいであることを、保証しながらも願います。祈ります。

 

2017は素数でした。
次の素数は10年後。
そのなかで、もう会えないあの人と、また出会い直すのかもしれませんから。

 

どうぞ、安心して、よいおとしを。

2017/12/26 今日の数式〜師走は忙しいから、合同式でノルムを眺めて小さな幸せを積分する

師走は忙しいので。

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小さいことにも気づいて喜びたい。

 

ノルムが全部1だなあ、とか。

単数群が決定できた!とか。

それが、2次体であっても、嬉しいものは嬉しい。

 

できてない、やってないことばかり見るより、

小さくても、幸せなことに気づいて喜んでいきましょ!

 

2017は素数

素数な日々が、もうすぐ終わりますね。

 

これを読んでるみなさんが、小さな幸せを、あと5日間、ていねいに積分して、

良い年を迎えられますように!

20歳と数ヶ月で亡くなった天才数学者の生涯~「ガロアの時代 ガロアの数学 <第一部>時代編」レビュー

ちまちまと読んでいて、やっと読み終わりました…

 彌永昌吉先生の書いたガロアの時代 ガロアの数学 <第一部>時代編」

 

まず、一言…

 

面白かったーーーー!!

 

というわけで、何が面白かったか?を、少しずつ書いてみようと思います☆

 

 

1.著者の彌永昌吉先生

まず、内容の話の前に、著者である彌永昌吉先生のことを、お話しておこうと思うのです。

 

 彌永昌吉先生は、数学者です。

彌永昌吉 - Wikipedia

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Wikipediaより)

 

1906年生まれで、2006年に亡くなった彌永先生。

そうです。100才まで生きました。

 

 

この方が「スゴイ人」というのは(100才まで生きたこと以外にも)、数学ファンでなくても、経歴をさらっと見れば、わかると思います。

 

・一高から、東大理学部数学科へ

・戦時中に、ドイツとフランスへ留学

・1942年~1967年まで、東大理学部教授

・数学のノーベル賞と呼ばれるフィールズ賞の選考委員を務める

などなど。

 

うん、すごい。やばい。

 

そして、個人的に「これはスゴイ」と一番思うのは、お弟子さんの優秀さです。

 

●お弟子さん① 小平邦彦先生

フィールズ賞の受賞者です。日本での受賞者は3人だけ。そのうちの一人。

 

●お弟子さん② 岩澤健吉先生

岩澤理論の岩澤健吉先生。

フェルマーの最終定理の証明に使われている理論です。めちゃきれいな理論。

 

●お弟子さん③ 佐藤幹夫先生

ウルフ賞の受賞者です。代数解析学を生み出した方。

 

「東大にいたから、お弟子さんは優秀で当然」というのもあると思いますが、

彌永先生は、数学・算数の教科書作成にも携わっていたようなので、「人を育てること」が、お好きな方だったのかもしれません。

 

90才を越えても、論文や本の執筆、セミナーの開催を続けていたそうです。

 

事実、この本も1999年に出版されたもの。

彌永先生、93才のときです。

 

ただならぬバイタリティに驚かされます。

 

2.数学者らしい本

この本を読むときは、ぜひ、

「90才を越えた数学者が書いた本」だということを味わいながら読んでみてほしいなあって思います。

 

言葉遣いや文章運びが、本当に、数学者らしいんです。

 

平易とは言い難い文章なんですが、

誤解ができるだけないように、エビデンスを明確に示しながら書かれています。

 

この辺りが、「普遍的正しさ」と向き合ってきた数学者らしい姿勢だなあ、と感じるのです。

 

この本は、「ガロアという、19世紀を生きた天才数学者の一生」について書かれているのですが、

「彌永先生、あなた本当に数学者なの?」というくらい、歴史に関する、ありとあらゆる文献を紐解いた上で、この本を書いています。

 

「専門外です」なんて言わない、調査能力。

 

歴史に、数学に、そして何より学問に、首を垂れて、

できるだけ正確に、確実に伝えていこうという姿勢。

 

読んでいて、心地よく気が引き締まりました。

 

3.ガロアって、誰? 

数学ファンならば、誰しもが知っているアイドル数学者ガロア

 

エヴァリスト・ガロア - Wikipedia

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wikipediaより)

 

「何で、そんなにも有名なのか?」というと、

一つ目の理由は、圧倒的に素晴らしい数学の業績

二つ目の理由は、恐ろしいほど波乱に満ちた生涯

です。

 

 

まず、何より有名なのは「20才という若さで決闘で死んだこと」

そして、ガロア理論という整数論に欠かせない理論を創始したこと」

 

10代後半で数学に目覚め、20才までに、ガロア理論を創始してしまった…

ありえないのです。恐ろしい天才なのです。

 

4.時は、19世紀フランス

ガロアの生きた時代は、19世紀初頭のフランス。

ナポレオン帝政から、7月革命までの時代を生きました。

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まさに、「保守か?革命か?」で政治がグラグラ揺れていた時代です。

そんな不安定な時代に、思いっきり翻弄されてしまうガロア

 

彼の原体験の一つに、「政治背景を原因とした父親の自殺」が、あります。

彼は、若くして、愛国主義の革命家になるのです。

 

晩年は、事件を起こし、政治犯として、逮捕されるまでに至ります。

 

5.数学の才能を認められなかった

若くして亡くなったことも悲劇的ですが、さらに、悲劇的なのは、

死後に、数学的業績が評価された点

です。

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この本を読んでいて、感じたのですが、

ガロアが「後世に名をはせる天才数学者」だと、誰からも思われていなかったからか、彼に関する記録や文献は、曖昧であり、多くないのです。

 

「人並み以上に、数学ができる青年」という範疇を越えず、

論文を何度提出しても、不運が重なって、認められず、

エコール・ポリテクニークという名門学校の受験にも2度失敗し、

政治思想ゆえに、入学した師範学校も退学させられてしまうのです。

 

6.決闘へ

「決闘は、なぜ起こったか?」というのは、実は、残っている記録が少なく、謎が多い部分です。

しかし、「恋愛問題・女性問題」が原因であったことは、遺書などから、ほぼ確実であると言われています。

 

ガロアが恋した女性」については、ぜひ、本を読んで解き明かしてみてください。

 

7.激動の10代

私の感想ですが、

10代~20代前半は、誰もがアイデンティティの危機を迎えます。

 

自己と他者の間で、葛藤を感じて、せめぎあう時期です。

誰だってそうです。

「思春期」や「青年期」と呼ばれる、大切な、そして厄介な時期。

 

そんな時期に、これだけの体験をしてしまった彼は、まさに激動の人生を歩んだ、と言っても過言ではないと思います。

 

父親のこと、政治のこと、恋愛のこと、

それだけでも、頭がパンクしそうなほど大変だと思うのですが、

さらに、彼には数学がありました。

 

8.5次以上の方程式は代数的に解けない

ガロア理論を用いた有名な結果の一つに、

「5次以上の方程式は代数的に解けない」

というものがあります。

 

ノルウェーのアーベルという数学者(この人も不思議なことに、正当な評価を与えられないまま、26才で亡くなっています)が、ガロアより前に証明してしまった結果ではありますが、この証明は、ガロア理論を使うことで、アーベルよりも簡略な証明が可能となりました。

 

「5次交代群」というものを考えながら、証明していくのですが、

ここでは、詳しい証明内容には触れず、「この結果のすごさ」に、少しだけ言及していこうと思います。

 

この結果、数学ファンならば誰しもが知っている結果であり、多くの数学初学者が「理解してみたい!」と憧れる結果です。

 

ピアノを習い始めた人が、「いつか、あの曲を弾けるようになってみたいなあ」と夢に見る曲、のようなものなのです。

 

少し、数学的な話をすると…

「5次以上の方程式は代数的に解けない」

 というのは、簡単に言うと、

「5次以上の方程式の解の公式はつくれない」

ということです。

 

「2次方程式 の解の公式」って、ありましたよね?

「2aぶんの~マイナスb~プラスマイナスb2乗マイナス4ac」って覚えたアレです。

 

ああいった公式が、5次以上の方程式になると、絶対につくれないのです。

 

つまり、

aX^5+bX^4+cX^3+dX^2+eX+f=0

aX^6+bX^5+cX^4+dX^3+eX^2+fX+g=0

のような方程式を満たすようなXを求める「解の公式」は、絶対に存在しえない、ということです。 

 

なぜ、この「5次以上の方程式は代数的に解けない」という結果に、数学ファンは憧れ、そして、熱狂するのでしょうか。

 

9.「無限」を相手に、「ないこと」を証明する

魅力の一つとして、

「5次以上の全ての方程式」

を相手にしていることが、大きな魅力だと思っています。

 

5以上なら、何だって良いわけですからわけですから、

5でも6でも7でも、

もっと言えば、1億でも2兆でも、

10000000000000000000000000000000000000000000000

とかでも良いわけです。

 

相手にしているのは、「無限」です。

そして、「5次以上の方程式の解の公式はない」ことを示しているわけですから、つまり、「ないことの証明」を、やってのけているのです。

 

数学の場合、

「2兆まで、実験して、なかったから、さすがにない」

と言うことは言えません。

 

それは、確かに、実験結果として有効ではあります。

しかし、2兆より先に、「ある」かもしれないですよね。

 

それは、2兆でも、300兆でも、5000京でも、そうです。

その先に、「ある」かもしれない。

 

「ここまでやって、ないから、ない」と言えないのが数学の大きな特徴なのです。

絶対に「ない」と言い切らないといけない。

 

相手にするのは「無限」。

具体的な「大きな数」なんて、そんなもんではありません。

 

そんな恐ろしい「無限」を相手にして、「ないことの証明」という恐ろしい証明をする。

そのためには、キラリと光る、美しいアイデアが必要となります。

 

それが、きっと、ガロア理論だったのです。

 

10.キラリと光る、美しい理論

方程式から得られる拡大体と、その根が織りなす写像とを、見事に繋げ、その関係性を「ガロア理論の基本定理」で、シンプルに、言い表しています。

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そんな、キラリと光る、美しいガロア理論

 

最近、私は勉強していないので、結構忘れてしまっていることも多いのですが(だから間違ったことも書いているかもしれない…)、

ガロア理論を、初めて習ったのは、大学3年のときでした。

 

当時の私には、「感動!」というより「難しいなあ」という気持ちが、強かったのですが、

しかし、明らかに「思考の視野が開けた」というか、「今までより”一段上”から考えられるようになった」という感覚がありました。

 

「方程式という、古代バビロニアからの研究対象へ、スパーーーーンと彗星のごとく出現し、新しい視点を与えてしまった!!」という印象があります。

 

そして、ガロア理論の先に、類体論とか、岩澤理論とかがあって、フェルマーの最終定理の証明へと繋がっていくのです。

 

そんな現代数学の礎を、ガロアが数年で築き上げてしまったのは、恐ろしいことです。

 

11.数学的に、最高に面白い時代

ガロア自身が天才であったのは言うまでもありませんが、

それでも、ガロアの生きた時代は、数学的に、最高に面白い時代であったと思います。

 

代数学から、現代数学へ。

直感と経験が、厳密で抽象的な論理の世界へ、一段一段、クッキリと階段を上っていく。

 

デカルトフェルマーパスカルニュートンライプニッツ

そして、オイラー、リーマン、ラグランジュ

彼らのバトンを受けて、ガロアの時代へ。

 

ルネサンスを経て、ヨーロッパの数学が大きく花開いていった時代からのバトンを、ガロアは受け取りました。

 

高校数学のゴールは、概ね、ニュートンライプニッツ微積分なので、

ガロアの数学は、そこから100年後の数学なのです。

 

12.まとめ

最後に、おススメポイントをまとめると…

 

●90代の世界的な数学者が書いた本。味わえます。

●激動の人生を歩んだ不遇の天才ガロアの生涯が描かれています。

●ナポレオン帝政~7月革命。世界史的にも面白い時代背景です。

●さらには、数学史的にも、興味深い時代です。

 

数学的な部分は、大学レベルの知識も必要なので、少々難解ですが、飛ばし読みしても十分楽しめると思います。

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良かったら、ぜひ、読んでみてください☆

 

【参考記事】

nekomath271828.hatenablog.com

 

【おすすめ関連文献】

ガロア理論講義 (日評数学選書)

ガロア理論講義 (日評数学選書)