のんびりmathematicー数学主婦のブログ

大学院まで数学を専攻していた主婦によるのんびりブログ

なんで数学って難しいの?②〜数学の歴史から

こんにちは!

先日、友人とカフェで談笑していた際に、

「数学ブログ(このブログ)、読もうと試みたけど、”環がなんちゃら”ってところで読むのを諦めた。」

と言われた主婦です。悲しいです。

 

確かに言われてみれば、大学二年で受ける代数学の講義みたいでした…。

でも、素敵な数学者の方から「ここ違うよ~」とか、コッソリ指摘してもらえたりして、ドキドキしつつも嬉しかったです!

 

↓ちなみに、”環がなんちゃら”のブログは、こちら。

nekomath271828.hatenablog.com

 

というわけで、今回のテーマは、

 

なんで数学って難しいの?②〜数学の歴史から

ーそして実習へ 編ー

 

です。

 

ねこを見て、癒されてから、はじめましょー!

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 【もくじ】

0.前回までのあらすじ

教育実習に行くことになった私。

実習前ガイダンスにて、髪の毛の若干薄い指導教諭(以下、T先生)に

 

「とにかく実習までには、数学史を学んでおいてください。他は何の準備もしなくて良いです。」

 

と 、予想の斜め上のことを言われて、帰されてしまいます。

これをきっかけに、私は数学史を学ぶことになったわけなのですが………

 

↓詳細(第一弾)はこちら。

nekomath271828.hatenablog.com

 

1.教育実習へ行こう!~数学の歴史がスゴすぎる

「教育実習までに数学史を学んで来てね」と言われた私は、数学史の本を素直に読み始めました。

 

↓この本です。

数学史 ―数学5000年の歩み―

数学史 ―数学5000年の歩み―

 

 

300ページ近くあるので、「読み切れるのだろうか…」とドキドキしていたのですが、読み始めてみると、

 

うおーーーーーーーーーー!!!!

 

と心の中で叫ぶこと、多数。

 

社会の流れ・思想・科学の発展等と密接に関わり合いながら、ドラマよりドラマティックに数学の歴史が進行していくんです。

 

内容に関して、お伝えしたいことは山ほどあるのですが、

ヨーロッパのみならず、中国やアラビアの数学なんかもスゴいってことだけ、ここで伝えておきます!!

 

●すごいぞ!古代中国

「負の数(マイナス)」が、世界で一番最初に使われたのは、古代中国なんです。

「九章算術」という紀元前の文献の「第八章 方程」に記述されています。

古代中国では、計算をする際に「算木」と呼ばれる木を用いていたのだそう。算木は2色あり、正の数を赤、負の数を黒、としていたようです。

他にも、円周率の近似「3.14」を発見していたりと、なかなかスゴい文献なのです。恐るべし中国。

九章算術 - Wikipedia

 

●すごいぞ!アラビア世界

アラビアに関して、「すごっ…」と思ったのは、"三角関数の整備"です。

サイン・コサイン・タンジェントは中世期のアラビアで作られたのだそう!

これらが大航海時代の「測量」(地図を描く技術)に、めちゃくちゃ役に立ったんだろうなあ、と思うと涙が出てきます。

ピタゴラスユークリッドの時代の古代ギリシア数学を、素敵すぎる形で昇華してくれたのが、アラビアの人たちだったんですね…スゴいよ…スゴいよ…。

 

というわけで、

教育実習の勉強というより、うるうると感動してしまって、

「あー、面白かったー」という、映画を見た後みたいな感想しか出てこない読後感でした。

 

2.文字式とデカルトと私

勉強なのか趣味なのか、自分でもよくわからない読書時間を過ごして、いざ教育実習へ。

 

担当は中学一年生。

実習は5月だったので、生徒たちは「まだまだ小学生!!」って感じで、超かわいい。そして超うるさい。

 

実習1週目は、T先生の授業を見学していました。

なかなか面白い授業だったので、また別の機会に記したいのですが、

中一の授業なのに、大学二年生くらいのこと教えちゃうんです。

 

この前まで小学生だった子たちに、

 

「整数は除法で閉じてません。」

有理数は体です。」

 

と教えていて、「しょ、正気なのか…!?」と思いました。

でも、結構子どもたちは理解してました…。恐ろしい子たちです。

 

とはいえ、中1の5月。

授業内容は「文字式」。

初めてxやyに出会う時期です。

3x+2x=5x とか、初めて習う時期です。

なんだか初々しい。

 

そんな実習1週目のある日、

授業見学を終えて、T先生と一緒に廊下を歩いていたときに、突然、

 

「文字式を初めて使った人は誰だか知ってますか?」

 

と聞かれました。

 

「え…。うーん…。」

 

と答えられない私。

数学のことは、普通の人より詳しい自信があったので、ちょっと悔しい気持ちになりました。

 

T先生に、

 

ディオファントスです。」

 

と、教えて頂きました。

アレクサンドリアのディオファントス - Wikipedia

 

そして、

 

「僕は、文字式を教えるときに、必ずディオファントスの話をしています。文字式の歴史を生徒たちに伝えてあげてくださいね。」

 

と言われました。

 

答えられなくて、ごめんなさい!!!と恥ずかしい気持ちになりましたが、気を取り直して、文字式の歴史を勉強することに。

 

そして、改めて、

 

うおーーーーーーーーーー!!!!

 

と心の中で叫んだのでした。

 

●すごいぞ!文字式の歴史

世界で初めて文字式を使ったと言われているディオファントス(3世紀頃の数学者)ですが、

その文字式は、今と全く違った形式でした。

 

↓詳しくは、以下ページに記載されています。素敵なページです。

pisan-dub.jp

この表記法を、現代的な形式へ発展させたのは、「我思うゆえに我あり」で有名なデカルトです。

デカルトの偉業で、何よりスゴいのは「次元の束縛からの解放」。

昔は、1乗は長さ(1次元)、2乗は面積(2次元)、3乗は体積(3次元)として扱われていました。そのため、式を扱うときに、うまいこと次元を整理する必要があったのです。

しかし、デカルトのお陰で、2乗(2次元)の式と3乗(3次元)の式をイコールで結べる等、次元の壁を越えられるようになりました!

これって、今では普通のことですが、当時としては革命です!!

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ディオファントスの時代は、3世紀。

デカルトの時代は、17世紀。

1500年もの期間をかけて、文字式は今私たちが学ぶ形式へと発展していったのです。

 

 

そう思うと、文字式ってスゴくないですか?

 

 

1000年以上もの時代を経て、たくさんの人が必死に考えて発明したことを、

私たちは、受け継いで学んでるんですよ!!!!

 

なんとなーく、何も考えずに「2x+3x=5x」とか計算してしまうけど、

この表記が、めちゃくちゃスゴいことなんですね。

 

そして、

 

「1000年以上もの時間をかけて、発明されたことを、きみたちは学ぶんだよ!」

 

と、子どもたちに歴史の厚みを伝えることって、とてもとても愛のこもったことだと思うんです。

 

バトンを渡すような。

 

そして、大きなものを受け取って、主人公として子どもたちが生きていくことを保障するような。

 

まるで、子どもたち一人一人がRPGの勇者みたい。

 

すごいよお。素敵だよお。

なんか、世界平和を願ってしまうよお。

 

そう考えると、「教育って、すごいなあ」と心底思います。

そして、T先生の教育者としての心意気にも、しみじみ心底感動したのでした。

 

(つづきます)

 

つづきはこちら↓

nekomath271828.hatenablog.com

 

※せっかくなので、はてなブログ 今週のお題「読書の秋」も意識して書いてみました。

数学 難しい なぜ?