のんびりmathematicー数学主婦のブログ

大学院まで数学を専攻していた主婦によるのんびりブログ

なんで数学って難しいの?③〜数学の歴史から

複素平面上の円が、リーマン球面上の(0 ,0,1)を通らない円と対応し、複素平面上の直線が、リーマン球面上の(0,0,1)を通る円と対応することの証明していたのですが、その証明の計算がすごくなってしまった主婦です。もっとコンパクトな方法ありませんかね…(リーマン球面だけに、コンパクト)。

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主婦と名乗りつつも、実は、家事のサボり率が高く、

きょうの料理ビギナーズ」という番組の「としこ」に似てると、実家で評判になっている私です。

 

wikipediaでは、としこについて、

楽して過ごす事が信条で、暇さえあれば寝ながら菓子を食べる、自分にとって面倒な事が大嫌い、自分にひたすら甘い、という怠惰極まりないその姿は、ぐうたら主婦の見本そのもの。

と紹介されています。

きょうの料理ビギナーズ - Wikipedia

 

世界のみなさん、ごめんなさい。

 

今回は「なんで数学って難しいの?③〜数学の歴史から」の最終回です。

「なんか読むの面倒くさいなあ」と感じた方は、良かったら「3.結論:数学は難しい」以降から、読んで頂けると、としこはすごく嬉しいです。

 

0.前回までのあらすじ

教育実習に行くことになった私。

実習前ガイダンスにて、髪の毛の若干薄い指導教諭(以下、T先生)に 

「とにかく実習までには、数学史を学んでおいてください。他は何の準備もしなくて良いです。」

と言われたことをきっかけに、私は数学史を学び始めます。

 

数学史を学んでみると、

「文字式って、1500年かけて、今の形に進化してきたのかーーー!!」

などなど、数学史の奥深さ・厚み・凄みを発見し、心の中で思わず叫びまくるくらいに感動。

 

そして、その歴史を生徒たちに伝え続けるT先生の心意気にも感動したのでした。

 

↓前回までの詳細はこちら。

nekomath271828.hatenablog.com

nekomath271828.hatenablog.com 

1.数学を教えていて 〜息苦しそうな人たち

急に、話の方向を変えさせてください。すみません。

 

私は教えるのが上手いわけではないんですけど、何の因果か、数学を教えに行くことがあります。

 

そんなことを曲がりなりにもしている中で、感じてることとして、

多くの子どもたち・若者が、勉強に向かうとき、

 

すごいつらそう

 

なんですよ。

(もちろん、そうじゃない人もいます。)

 

「本当はやりたくない!でも、試験あるから、やらないと!」

「医学部行きたいから、青チャート終わらせなきゃ…」

みたいな切実さがあって。

 

もちろん、課題や目標に対し、努力してて、本当に素晴らしいし、そういう力って、生きていくために必要だと思うんです。

「嫌なこともやらなきゃいけない」っていう。

私は、ぐーたら主婦で、そういう力があんまりないんで尊敬します。

 

でも、なんか、その切実さとか、辛さとかに、

押しつぶされそうな人とか、実際に押しつぶされてる人とかがいるのも、感じています。

 

同時に、親御さんも、子どもの勉強や成績や進路のことになると、切実で、辛くて、葛藤してる部分って、あるんだろうなあ、と思うんです。

 

「最低でも〇〇大学に行ってほしい」と思ってたり、「うちの子は、成績とか気にせず、のびのび育てたい」と、頭ではわかっていても、「やっぱり、ある程度の成績をとってもらって、それなりの学歴を…」と思ってたりとか。

 

そうやって思ってしまうことを批判しようなんて、私は全然思っていません。

むしろ、とても自然なことです。そう思ってしまう社会背景は十分ありますし、学歴がキャリアに及ぼす影響は、悔しくも存在しているし…ううう…。

 

とにかく、

多くの大人と子どもが、ひとたび勉強のこととなると、なんか辛そうで、

それが「良い辛さ」や「適切な負荷」を越えているケースが、想像以上に多い気がするんです。

2.数学は好きですか?

「数学は好きですか?」と聞かれたら、なんと答えますか?

そして、その理由は、なぜですか?

 

子どもや若者に「数学は好きですか?」と聞くと、「できる・できない」や「成績の良し悪し」や「偏差値と順位」を答えることが多いなあ、と感じます。

 

もちろん、これらも「好き・嫌い」を判定する重要な要因だと思います。

 

でも、

 

「なんか、よくわかんないけど、面白い感じはするけど、なんかよくわかんない。まあ、いっかー!あはははは」

 

くらい適当な意見があっても良い気がしてます。

 

「音楽は好きですか?」の質問に、

「楽器下手だけど、音楽好きだぜ!うえーい!フェス行きてー!」

って答える人、いっぱいいますよね。

 

そうやって、手放しに答えられない切実さ、真面目すぎるくらい向き合わなきゃいけない息苦しさが、数学という教科学習に潜んでる感じがするんです。

 

その息苦しさで、思いつめたり、押しつぶされたり、不必要なまでに落ち込んだりしてる人たちがいるなあ…と感じてて、「その気持ち、めっちゃわかるな」と、私は思わず泣きそうなぐらい共感してしまってます。

3.結論:数学は難しい

ちょっと、今までの話から、また急に話が変わります。

数学の歴史の話に戻ります。すみません。

 

「なんで数学って難しいの?①&②」で長々書いてきたんですが、結局伝えたかったことはただ一つ、

 

数学って、歴史が長すぎて、難しいんです

 

ってことでした。「それだけ!?」って感じですが、本当にそれだけが言いたかったです。どうしても言いたかった…。

 

なんで数学って難しいの?②〜数学の歴史から - のんびりmathematicー数学主婦のブログ に記した通り、文字式一つとっても、1500年もの間、磨きに磨かれて、現代に受け継がれてるんです。

 

↓この文献のタイトル見て下さい。

数学史 ―数学5000年の歩み―

数学史 ―数学5000年の歩み―

 

 

5000年ですよ!!!

 

上記amazonページの内容紹介欄から引用すると、

人類文明のエッセンスであり,最古の学問である数学の歴史を,人類文明史の流れの中で通観する。

 

最古の学問ですよ!!!

 

しかも、数学って、進めば進むほど抽象度が高まって難しくなるので、年代を追うごとに明らかに難しくなるんです。

 

自分が強くなれば、敵も強くなる…

サガフロンティアという懐かしのゲームを思い出します。

 

高校数学の”ゴール”って、(色々意見はあるでしょうが、概ね)「微分積分」だと思うんですよ。

微分積分って、ニュートンライプニッツが、別々に創始した17世紀頃の数学なんですね。

 

次に、中学1年生の最初の方で学ぶ数学について調べてみると、

「方程式を解く」のは、古代エジプトや古代バビロニアで既に挑戦されていました。

特に、バビロニアでは、方程式を解く技術が進み、二次方程式まで解いていたらしい!!恐るべし、メソポタミア文明

 

私は歴史に疎いですが、紀元前2000年頃には、人間は既に「方程式」と出会ってたわけですよ。

 

つまり、

古代エジプトバビロニア から ニュートンライプニッツ

ってことは、

4000年近いタイムリープ

が中高数学で行われているわけです。

 

言い換えれば、

中高数学は、4000年を駆け抜ける6年間のスーパータイムリープ

なわけで、恐ろしい時間旅行をするんです。

 

そのため、中高数学6年間のカリキュラムは、

スーパー効率的で、「いったい誰がつくったんだ…」と感動するくらい体系立った、素晴らしすぎるカリキュラムになっているのです。

 

とても素晴らしいカリキュラムだけれど、4000年のタイムリープって、ただごとではないです。

しかも、4000年もの間、結構な人数の天才と秀才たちが、命削って、考え抜いて、残してくれた数学です。そして、その天才と秀才たちの多くは「そう簡単に、誰にでもわかってたまるか」くらいに思っている気がします。

しかもしかも、繰り返しますが、数学は、時代を追えば追うほど難しくなるんです。

 

そんなもの、難しいに決まってます。

だから、「数学、わかんないなー。難しいなー。」って感じるのって、とてもとても自然なことなんです。

 

大学の「数学科教育法」という、「中高数学を、いかに教えるか?」みたいな授業で、数学教育の偉い先生から

 

「数学が好きで、教えようなんて、あなたたちは変な人なんですよ。世の中には、そんな人、ほとんどいないですからね。」

 

と最初の授業で言われました。つまり、数ⅢCまで、割とすんなり理解できちゃった人は「変な人」ってことです。「頭いい人」ではなく、「変な人」です。

 

というわけで、数学は難しいんです。

 

でも、一方で、難しいということは、ポジティブに言い換えれば、

奥深くて、探求しがいがあるってことでもあると思います。 

4.数学は難しい。だから、やたらと落ち込まないで!

最初の方で語ったように、数学という教科学習に対して、息苦しくしてる人って多いと思うんです。

受験とか試験とか推薦とか進路とか、色々と現実の課題があって、なかなか余裕が持てないと思うんですけれど、でも、良かったら

「数学は難しい」

って知っておいてください。

 

数Ⅲが難しい、数ⅡBが難しい、東大の入試が難しい、だけでなく、もう最初から難しいんです。古代の天才と秀才が必死で編み出してきたことですから。

 

(少し話はズレますが、(-1)×(-1)=1や1+1=2という、超基本的なことですら、証明するのは大変なんです。)

 

だから、「全然わかんないよ。難しいよ。」とか感じても、「もう嫌だ。死にたい。受験落ちる。」とか、負のスパイラルに入らず、「わからないのは自然なこと」だと、少しだけでも思ってほしいんです。

 

それで、現時点までで、自分が「わかったこと」や「できたこと」を「すげーよ!天才だわ、自分!」と褒めていいと思います。だって、数学は難しいから。すごいですよ。

 

親御さんも「うちの子、数学できない!どうしよう!」って、すごく焦るケースがあると思うんですけど、良かったら「数学は難しい」ということを、覚えていてほしいなあ、と思います。

 

むしろ、中高数学を「スイスイ解ける人」より、「一つずつ悩んで立ち止まる人」の方が、素敵な才能を開花するかもしれません。長い歴史を噛み締めるのには、悩む時間がたくさん必要なはずです。

 

「中学のとき、数学得意だったのに、高校で全然わからなくなった」

「高校のとき、数学の偏差値70あったのに、大学で全然わからなくなった」

って、何人もの人から聞きました。

 

逆に、

「小中高、数学得意じゃなかったけど、大学から楽しくなった」

と話してくださった数学者の方もいました。

5.おすすめ数学勉強法~図書館で算数辞典を眺めよう

数学の勉強法とかのことも、いつか詳しく書く予定ですが(偉そうですみません)、

良かったら、まずは図書館に行ってみてください。

それで、何かしら算数辞典か数学辞典を眺めてみてほしいんです。

 

↓ちなみに、私が幼少期から眺めているもの。

算数おもしろ大事典IQ 増補改訂版

算数おもしろ大事典IQ 増補改訂版

 

 

別に、「覚えよう」とか「解こう」とか思わなくて良いと思います。

「へー」とか「ふーん」とか、新聞読むように眺めながら、「あ、面白そう」と思ったところを、じっくり読む感じで。

 

「こんなことに役立ってるのかー」

「数学者、変な人。やばいなあ」

「こんな歴史があるのかー」

とか、思いつつ。

 

受験や試験には出ないかもしれないけれど、面白がって自分の中に取り入れたことって、温かな教養になって残ります。かならず。

そして、間接的かもしれないけれど、受験や試験に役立っていくと思います。

なぜならば、バックグラウンドを知っている方が、きっと数学は身に付きやすいから。

6.さいごに

もしも、あなたが、映画やアニメを見たり、マンガや小説を読んだりするのが好きならば、数学をすごく楽しめると思います。

だって、中高数学を学ぶだけでも、4000年ものノンフィクションドラマが広がってるんですから!

 

しかも、やればやるほど難しくなるゲーム…。紙とペン以外は無課金。

お金のかからない趣味になります。

 

もちろん、勉強は楽しいだけではなく、苦労もたくさんあるけれど、

その苦労も時には楽しんでほしいし、

「わからない」「難しい」が、この拙いブログを読む人の、素晴らしい可能性を押し広げてくれることを、心から願っています。

 

そして、子どもたちや若者が「わからない」「難しい」をポジティブに捉え、数学の奥深さに出会えること、さらに、それを大人たちが温かく見守っていけるようになることも、心から願っています。

 

(おしまい)

 

数学 難しい なぜ?