のんびりmathematicー数学主婦のブログ

大学院まで数学を専攻していた主婦によるのんびりブログ

【三角比】sin cos tanと仲良くなろう①~木の高さは?

書こう、書こう!と思っていた

「三角比&三角関数

です。

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まずは三角比から始めていきます。

最終的に、オイラーの公式の話まで飛んで行けたら良いなって思ってます!

 

高校時代に、サイン・コサイン・タンジェントで挫折した方も、ぜひ読んでみてください!!もちろん、受験生も!!

 

※理系陣が読むと、「そんなの知ってるわ!」的な話が多くなると思いますが、サイン・コサイン・タンジェント布教活動の一環なのでご協力ください。

 

何回かに分けて書こうと思います。長編になりそう…。

1.はじめに

本題に入る前に、少しだけ、変な話をさせてください。

 

それは、「わかった!」という感覚についてです。これについては、また詳しい記事を書きたいので、今回はショートバージョンで記しておきます。

 

この「わかった!」の感覚に対して、意外にも多くの人が無頓着な感じがするんです。

すごく、なんともいえない難しい感覚だと思うし、心理学とか脳科学の研究してる人は、これに関して色んな研究結果をご存知なんだろうなあ、と思います。

 

サイエンティフィックなことは全然わからない主婦なので、経験則・数学者から聞いた話・数学者の本を判断材料に「わかった!」の感覚を考えてみることにしました。

その結果、以下の現象が起きたときに「わかった!」となりやすいのではないのか!?という仮説が出てきました。

 

①証明が理解できたとき・証明できたとき

②慣れたとき・刷り込まれたとき

③何に活用できるのか等、背景を知れたとき

④第六感的なものが働いたとき

 

三角比&三角関数の場合、③を満たせば、一気にわかりやすくなると思います!

①は教科書にしっかり書いてあるし、②は問題集を解いて頑張ってもらうしかないので、その辺りのことは素晴らしい書籍たちにお任せしていきたいと思います。

④については…フィールズ賞受賞者の小平邦彦さんのエッセイ『怠け数学者の記』を読んでみてください。視覚や触覚ならぬ「数覚」という、第六感的なものがあるらしいです。

怠け数学者の記 (岩波現代文庫)

怠け数学者の記 (岩波現代文庫)

 

2.sin cos tanのわかりにくさとは?

サイン・コサイン・タンジェントって、わかりにくいものの代名詞だと思うんですけど、何でわかりにくいのかと言うと、たぶん、「出会い方」のせいだと思うんです。

 

超唐突!!!

なんです。

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パンかじって走ってたら、曲がり角で、転校生とぶつかる以上の唐突感あると思います。(それもそれでワクワクしますが…)

 

サイン・コサイン・タンジェントが出てきたときって、「なにこれ、こいつら何なの!?」って思いませんでしたか?

全然知らない人から急に話しかけられたら、驚くのと同じです。でも、その人の名前とか、職業とか、人となりとか、急に話しかけてきた理由とか、そういうものを知って、「悪いやつではなさそうだな…」とわかれば、安心して「ちょっと仲良くしてみようかな」となるはずです。

 

そんなわけで、「sin cos tan…こいつら何なの!?」を探ってみたいと思います。仲良くなってみましょ。

 

3.庭の大きな木

最近は、マンション住まいの方も多いと思うんですが、実家が一軒家だったりすると、庭に「大きな木」って一本くらいありませんか?

ちなみに、私の実家には、ビワの木があります。

 

突然ですが、

 

「庭の大きな木が何メートルの高さなのか」

 

って、測ったことありますか?

私は、一度もありません。

 

では、ここで問題です。

 

【問題】

あなたの家の庭に大きな木があるとします。大人でも、見上げるくらいの大きさがあります。

その木の高さが何メートルか知りたいです。あなたはどうしますか?

 

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ちょっと、じっくり考えてみてください。

お子さんがいる方は、良かったら、一緒に考えてみてくださいね!

 

4.木の高さの測り方

きっと、色んな方法があると思います。

私の思いついたものを書いてみますね。他にもあったら教えてください!

 

①木に登って、上からメジャーを垂らして測る

これ、一番確実かなあ…大変だけど…。

果たして一番上まで登れるのだろうか?などなど、問題はありますが、うまくいけば楽しそうだなあ、と思いました。

久々に木登りしてみたい。

 

②木と並んで写真を撮影する

①よりも、現実的な方法を考えてみます。

木と私が並んでいるところを写真に撮ってもらえば良いのではないか?と思ったのです。

写真に写っている木と私、それぞれの長さを定規で測ります。

実物の木と私は結構デカいので、定規で長さを測るのは大変ですが、写真に写っている木と私ならば測れます。

そして、私の身長は160cmとわかっているので、比の計算をすれば、木の高さはわかりますよね。

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③影の長さを測る

「木は登るの大変だな…」と思うので、地面で何とかしたいなあ、と思いました。

影であれば、地面に存在してくれるので何とか長さを測れそうですよね。特に、太陽が南に近い時間ならば、陰の長さも、長すぎずにすみそうです。 

木の陰の長さを測って、そして、私の陰の長さも測ります。

すると、私の身長は160cmとわかっているので、三角形の相似で、木の長さは計算できますね。

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5.比と角度のありがたさ

①の方法は大変で、②③の方法が、なぜ現実的なのかというと、それは、

 

比と角度のおかげ

 

なのです。

 

どういうことかと言うと、「長さ」というものだけに着目してしまうと、いくらでもスケールが大きくなってしまうんですよ。

1メートル、1000メートル、1000000000メートル、10億光年などなど…。

人間のサイズを遥かに越えた大きなサイズになってくると、私たちには「長さ」が扱いにくくなってしまうのです。メジャーや定規で太刀打ちできない。木の高さのように、頑張れば測れる長さだったとしても、何らかの危険が伴うなどの測りにくさが生じることもあります。

 

しかし、

 

比や角度はスケールによらない

 

のです。

 

例えば、直角二等辺三角形の三角定規ってあるじゃないですか。

1:1:√2で、90° 45° 45°のアレです。

正方形を対角線のところで半分に折ったアレです。

鶴を折るときの第一段階のアレです。

それを、ちょっと頭に思い描いてください。

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そして、

 

・三角定規サイズの直角二等辺三角形

・黒板に目一杯大きく描いた直角二等辺三角形

・校庭に目一杯大きく描いた直角二等辺三角形

・東京ドームに目一杯大きく描いた直角二等辺三角形

サハラ砂漠に目一杯大きく描いた直角二等辺三角形

 

を想像してみてください。

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全部、長さは全然違いますよね。スケール感が全然違います。サハラ砂漠のやつなんかは、「どうやって描くんだよ」って思います。

 

でも、全部、直角二等辺三角形であることには変わりません。1:1:√2で、90° 45° 45°であることは、どれも同じなんですよ。当たり前ですけれど。

 

これが、中3で習う相似のスゴいところで、強味です。

「角度や比は、どんなスケールでも変わらない」ということです。

 

だから、「あ、これ、スケールでかすぎて扱いにくいな」とか「測るのが難しそうだな」と思ったら、同じ角度・同じ比に注目しながら、測りやすいようにスケールや対象を変換すればいいわけです。

 

特に、

相似は、「角度と比」両方の情報を含んでいる

ので、とてもとても便利に使えます。

 

「庭の木の高さを測る」ケースだと、

②については、「木は高くて測りにくいから、写真サイズにした」わけです。そして、比を利用しています。

③については、「木登りは危険だし、大変だから、簡単に測れる影にした」わけです。そして、相似を利用しています。

 

少しカタイ言い方をすると、

比較的容易に計測できる量を用いて、未知の量を計算する

 ということを行っているわけです。

6.②③の方法の困った大問題

ここで、ちょっと覆します。

 

読んでいて、

「うちの庭の木だと、②③の方法できません!」

と思った人、いると思うんです。

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例えば、木の生えている場所によっては、

「木と並んで写真が撮れない」とか「影がキレイにうつらない」とか、そういうことがあり得ると思うです。

他にも、いちゃもんつけてみると…

②の場合、カメラが絶対に必要ですよね。今の時代ならば、スマホを持っている人が多いので、簡単にできますが、20年くらい前は「いつでもどこでも必ずカメラがある」っていう状態ではないわけです。

あと、③の場合、天候に左右されます。曇りや雨が続くと、難しい方法です。

 

つまり、

②③は強めの制約条件に縛られる

ということです。

 

では、どんな方法が良いでしょうか?

②③よりも、「これは良い!」って思える方法はないでしょうか?

 

7.今回のまとめ

今回はここまでにします!

長くなったので「まとめ」です。

 

【まとめ】

○長さはスケールの影響を受けるが、角度と比はスケールの影響を受けない。だから、角度と比に注目すると、とっても便利。

○特に、角度と比両方の情報が入っている相似は、とってもとっても便利。

○これらは、比較的容易に計測できる量を用いて、未知の量を計算することを可能にする。

 

【宿題】

あなたの家の庭に大きな木があるとします。大人でも、見上げるくらいの大きさがあります。その木の高さが何メートルか知りたいです。あなたはどうしますか?

※できるだけ現実的かつ汎用性の高い(色んなケースに対応できる)答えを探してみてください!

 

次回から、少しずつ三角比の世界に入りたいです。

 

(つづく)

 

↓つづきです!

nekomath271828.hatenablog.com

 

三角比 解説