のんびりmathematicー数学主婦のブログ

大学院まで数学を専攻していた主婦によるのんびりブログ

ふしぎな過去問対策!?~入試問題は「数学者からのお手紙」

もうすぐ11月なので、そろそろ受験生は過去問を解き始める時期かなあ、と思います。

f:id:nekomath271828:20171024113634p:image

(私は、ぐーたらなので、センター終わってから解き始めました…)

 

というわけで、数学の入試問題をテーマに語ろうと思います!

 

とはいえ、私は予備校講師ではないので、

「この大学の入試問題の傾向は…」

「前年度は、やや難化しており…」

みたいな立派なことは、あんまり言えません。

 

すみません。

 

(でも傾向とか対策について、ちょっとだけ最後の方に言及します)

 

今回は、「数学の入試問題」について変な視点からお話していこうと思います。

 

 

1.入試問題のつくりかた

急に直球な話をします。

 

大学教授の方に、

「入試問題って、つくるの大変ですか?」

と聞いたことがあるんです。

 

そうしたら、

「一年かけて一問だけしかつくらないから、大変じゃないよ」

と言われたんです。

 

その大学では、「入試問題の作成担当者」を、年ごとに決めて、「ひとり一問つくって、最終的にマージする(合わせる)」という方法で、入試問題を作成しているらしいのです。

 

私は、それを聞いて、すごく驚いたんです。

 

「一年かけて、ひとり一問つくるって…入試問題ってすごくないか!!?」

 

と思いました。

 

「ガチな数学者が、一年かけてつくる珠玉の一問」なわけですよ。贅沢すぎます。

 

2.入試問題の行く先は…未解決問題!?

その話を聞いて思い出したんですが、大学院生のとき受けていた授業で、

「君たちが受験した年に、こういう問題あったの覚えてる?」

と、先生から突然に言われたんですね。

 

それを聞いて、

「あ~、あったなあ。漸化式の問題…」

と、ふわふわと思い出したのですが、

 

実は、その入試問題は、大学院の授業に繋がってたんです。

 

その日、私が受けていた授業に、まさにしっかりと繋がっていたのですよ。

 

しかも、さらにすごいことに、その教授の研究にも繋がっていたし、

もっと言えば、未解決問題にも繋がっていたという…

 

自分が受験した入試問題が、こんな形で返ってくるなんて…心からびっくりしました。

 

「試験の返却」って、実はこういうことなのかもしれません。

 

3.これから君たちの見る世界

これって、すっごく愛情深い行為だと思うんです。

 

入試問題で「これから君たちの見る世界は、こんな世界だよ」って、ドアをそっと開いてくれるような。

 

 

最先端の難しすぎる数学の研究を「高校生でも触れられるカタチ」に仕立てあげてくれているおかげで、受験生たちが「最先端から吹く数学の風」を肌で感じられるようにしてくれてるんですね。

 

 

しかも、5年くらい経った後、大学院まで残った人に「実はね…」って種明かしをする。

 

「わー!なんだ!この伏線回収はー!!!」

と、今思い出しても感動します。愛情深いです。

 

4.入試問題はお手紙

こんなスペシャルな経験をした私は、

 

「入試問題はお手紙だ」

 

って思うようになりました。

f:id:nekomath271828:20171023000940p:plain 

もちろん、評価して、合否を決定する道具でもあるけれど。

 

でも、一方で、

「これから君たちの見る世界は、こんな世界だよ」

って、教えてくれているお手紙だなあって思うんです。

 

しかも、数学者の職人技で、超難しい最先端の研究を、「高校生でも触れられるカタチ」に仕立て上げるという。そんなこと、なかなかできることではありません。

 

入試問題は、愛情と贅沢の極みだなあって思います。

 

5.ふしぎな過去問対策!

一般的な「過去問対策」とは全然違った話になるんですが…

 

とにかく、私は、

「過去問を解く」っていう時間を楽しんでほしいなあって思います。

 

全然余裕ないかもしれないけど…ぜひ!!

 

確かに、現実問題として、「解ける・解けない」や「時間配分」や「捨て問を見抜くこと」も大事ですが…

でも、良かったら、入試問題を味わってほしいんです。

 

とっても手の込んだ「数学者からのお手紙」だから。ぜひ味わって、楽しんで解いてほしいなあって思ってます。 

f:id:nekomath271828:20171023001041j:plain

なので、過去問を解いていて、「解けないー!!つらいー!!」「バカすぎる…死にたい…」ってなったりしたら、「あ、もう、楽しもう。味わおう」っていう風に、スタンスを変更しちゃっていいと思います。

それは、すっごく素敵な時間になるはず。

 

こんな贅沢なお手紙をもらえる機会って、なかなかないですから。

 

一年かけてつくる大掛かりなお手紙ですもの。

味わいつくしましょ!

 

6.入試問題の傾向

ここまで、変な話をしてしまったので…少しだけ「役に立つかもしれない話」をします。

(「かもしれない」なので、あんまり期待しないで読んでください)

 

「各大学の傾向」を知りたいのならば、その大学に所属している数学の先生たちの研究分野を調べてみると良いのかもしれません。

案外、研究分野って、大学毎にカラーがあります。

 

そこから傾向を見繕うのも良いのかもなあって思います。

 

なぜ、そう思ったのかと言うと…

大学入試の採点が終わったくらいの時期に、教授から入試問題を渡されて、

「今年の入試問題、これだよ。誰がどの問題を作ったか、当ててみてごらん」

って言われたんです。

 

つまり、それだけ「先生ごとのカラー」が出るっていうことなんだと思います。

クイズして、当てられる可能性があるっていうレベルで。

 

「大学って、どんなこと研究してるのかな?」っていうのを知るきっかけにもなるので、良かったら、「数学の先生たちの研究分野」を調べてみてください!

変な単語が並んでいて、なかなか楽しいです。

 

7.さいごに

「模試の問題や受験参考書の問題」と「入試問題」って、やっぱり隔たりがあるなあ…と思うことがあります。近いんですけどね。

 

その原因は、出題者の向いてる方向が違うからなのかもしれないです。

 

前者が「より良い大学に受からせるための問題」や「偏差値や成績を上げるための問題」なのに対し、

後者は「数学と向き合ってきたか?を問う問題」や「最先端の数学の風を感じてもらうための問題」だなあって感じがします。

 

だから、入試問題は、ちょっと特別です。スペシャルです。

 

まるで「老舗レストランの、手の込んだ一品」のような。

 

そうだとしたら、じっくり味わわないと損ですよね!

  

「過去問を解く時間」、ぜひ贅沢に過ごしてくださいね!

 

(おしまい)