のんびりmathematicー数学主婦のブログ

大学院まで数学を専攻していた主婦によるのんびりブログ

【三角比】sin cos tanと仲良くなろう②~木の高さは?

少し間が空いてしまいましたが、「三角比」の第二弾です。

 

↓前回ブログが、こちら。

nekomath271828.hatenablog.com

 

まだ、sin cos tanは出現してません!

今回から少しずつ入っていけたらいいなあ…

 

 

0.前回のまとめ&宿題

【前回のまとめ】

○長さはスケールの影響を受けるが、角度と比はスケールの影響を受けない。だから、角度と比に注目すると、とっても便利。

○特に、角度と比両方の情報が入っている相似は、とってもとっても便利。

○これらは、比較的容易に計測できる量を用いて、未知の量を計算することを可能にする。

 

【宿題】

あなたの家の庭に大きな木があるとします。大人でも、見上げるくらいの大きさがあります。その木の高さが何メートルか知りたいです。あなたはどうしますか?

※できるだけ現実的かつ汎用性の高い(色んなケースに対応できる)答えを探してみてください!

 

これだけじゃあ、やっぱりよくわからないと思うので…

詳しくは、

【三角比】sin cos tanと仲良くなろう①~木の高さは? - のんびりmathematicー数学主婦のブログ

を読んでみてくださいね☆

 

1.木の高さなんて、どうでもいい!!

急に、話がちょっとズレます。

 

「庭の木の高さ!?そんなもんどうでもいいわ!!!」

 

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こんな風に思った方、いますよね。きっと、いますよね。

 

確かに、よっぽどの事情がない限り、結構どうでもいいです。

「数学って、動く点Pとか、等速で歩き続けるタカシくんとか、本当どうでもいいことばっか…これだから数学は…」って思っちゃいますよね。

 

なので、この話を、ちょっとだけ発展させましょう。

 

「庭の木の高さ」の話を発展させると、

「山の高さ」「丘の上の一番高いところの高さ」

の話に繋がっていきます。

 

「え?山の高さ?どうでもいい!ぐぐれば書いてあるじゃん!!」

「地図見れば、標高わかるし~」

と思った方…!!

確かに、これも、その通り。ぐぐったり、地図見たりすれば、わかっちゃうんですよ。

 

でも、

でもですよ、

 

Googleも地図もなかった時代って、一体どうしてたんですかね?

 

現代、大抵のことは、簡単に知ることができます。

それは、「昔の人たちが、頑張って調べたり、苦労して測ったりしてくれた」からです。

 

つまり、「庭の木の高さ」の問題は、

「昔の人たちが、どうやって”手の届かない高~いモノ”の高さを測ったのか?」

という話に繋がっていきます。

 

「いやいや、今は21世紀。そんなの、どうでもいいですよ」って思う方も、いるかもしれません。そして、その気持ちもわかります。

 

「昔のことなんて、どうでもいいよ!」っていう。

 

2.私たちは、どこから来たのか?

以前、聡明な友人に、

「人間の関心事の中で、重要なものの一つは『自分は何者か?』ということだ」

みたいな、すごい難しいことを言われて「うおお…なんか…かっこいい」って思った思い出があります。

毎日、「カントリーマアム食べたい」ばっかり考えている私とは一味違います。

 

なんか、この「自分は何者か?」を知るのって、

結局のところ「過去のことを、きちんと知っていこう」ってことに繋がる気がするんです。

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「私たちは、どこから来て、そして、どこへ向かっていくのか?」を考えるような。

この「どこから来て」ということを考えるには、やっぱり、過去を知らなきゃいけない。その上で、未来に思いを馳せていく。

 

選挙とかのときに、こういうことって考えたりしませんか?

「今までの歴史のことを知らないと、やっぱり誰に投票するか決められないなあ」とか。

未来のことって、過去のことと連なっている点が多いから、「未来のことを託せる人」を選ぶのに、「日本や世界の歴史のこと」って、やっぱり知っておきたいなあって、思っちゃいます。

(でも、ぐーたらな私は勉強不足で、まだまだ知らないことばかり…ごめんなさい)

 

これは、端的に言えば「温故知新」みたいなことかもしれません。

 

この「”私たちは、どこから来たのか”を知ること」って、教養としても、一人一人の生活レベルの意思決定としても、すごく大事な気がするんです。

 

3.三角比は測量術

先に言ってしまうと、

三角比は、大航海時代に完成された「測量術」(地図を描く技術)の一つです。

 

大航海時代は、地図が、めちゃくちゃ必要とされた時代です。

私は、歴史に詳しくありませんが、船で旅しまくる時代に、地図が超必要なことは想像できます。

 

いや、そもそも「大航海」しなくても、ふつうに生活するレベルで、地図って便利だし、やっぱり必要ですよね。

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私は、大航海したことありませんが、Googleマップに、めっちゃお世話になってます。

 

ここからは、

「三角比って、測量術なの?え…どの辺が!?」

って思いながら、読んでみてください。

 

そんなわけで、 

まずは手始めに、測量の基礎「庭の木の高さ」から考えてみましょ!

そして、昔の人に思いを馳せながら、「温故知新」していきましょう!!

 

4.宿題!

では、問題に戻ります。

 

【宿題】

あなたの家の庭に大きな木があるとします。大人でも、見上げるくらいの大きさがあります。その木の高さが何メートルか知りたいです。あなたはどうしますか?

※できるだけ現実的かつ汎用性の高い(色んなケースに対応できる)答えを探してみてください!

 

前回は、「写真を撮る方法」と「影を使う方法」を考えてみました。

 

どちらも、なかなか良い方法なのですが、

木の位置が悪いと適用できなかったり、カメラが絶対必要だったり、天候に左右されたりと、若干汎用性は低めでした。

 

そこで、

より良い方法のために使うのは…

 

①仰角(ぎょうかく)*1

②観測者から木までの距離

③直角三角形の相似

 

です。

 

①仰角というのは、「観測者が、木のてっぺんを見上げたときの視線の方向と、水平面とのなす角度」のことです。

 

絵にすると、こんな感じ。

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今回は、

①が27°

②が200cm

としました。

 

これらをヒントに、じっくり考えてみてください!

 

5.宿題の答え

「①と②は良いとして、③直角三角形の相似ってどう使うの?」

「相似を使うなら、二つの三角形が必要でしょ?一個しかなさそうなんだけど…」

と思えた方!

 

そうなんですよ。素晴らしいです。

あとちょっとです。

 

まさに、その通りなんです。ここに存在してる「直角三角形」は一つだけです。

 

「観測者の目」と「木のてっぺん」と「観測者の目から水平方向に延ばしていって、木にぶつかったところ」を結んでできる直角三角形です。

 

それぞれ、点A、点B、点Cとおいて、この直角三角形を△ABCと呼ぶことにしましょう。

(数学っぽくなってきたぞ…)

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現時点では、△ABC一個しかなくて、「③直角三角形の相似」が使えません。

 

でも、今回、ありがたいことに「①仰角」がわかってます。27°です。

しかも、直角三角形なので、残りの角度がわかりますよね。

180-(27+90)=63

となるので、63°です。

 

つまり、△ABCは、

「27° 63° 90°の直角三角形」

に決定しちゃいます。

 

と、なると、

「△ABCの相似の相方」は、もう簡単です。

 

分度器と定規を使って、

測りやすいサイズの「27° 63° 90°の直角三角形」を紙に描けば良いのです。

 

これが「相似の相方」になります。 

 

そして、この直角三角形の「底辺」と「高さ」の長さを定規で測ってあげましょう。

すると、それぞれ「4㎝」と「2㎝」になりました。

 

あとは、「③直角三角形の相似」を使えば、木の高さがわかります。

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6.優秀な方法なのだ

 この方法は、「写真を撮る方法」や「影を使う方法」よりも汎用性が高いです。

 

「そんなとこに生えてるのかよ!」と叫びたくなるアバンギャルドすぎる位置に木が生えてなければ、観測者から木までの距離って、何とか測れると思います。

 

仰角も、木のてっぺんが見えれば測れます。

 

道具も、分度器と定規とメジャーという、なんとも原始的なモノで事足ります。

 

なので、前回挙げた方法よりも、色んなときに使える優秀な方法なのです。

 

7.まとめ

ここで、前回のまとめを思い出してみましょう。

 

【前回のまとめ】

○長さはスケールの影響を受けるが、角度と比はスケールの影響を受けない。だから、角度と比に注目すると、とっても便利。

○特に、角度と比両方の情報が入っている相似は、とってもとっても便利。

○これらは、比較的容易に計測できる量を用いて、未知の量を計算することを可能にする。

 

今回も「相似」を使いました。

相似のおかげで、「紙に描かれた直角三角形」という、超計算しやすいモノを用いることができたのです。

 

 しかも「直角三角形」だったので、「仰角」という一つの角度だけがわかってしまえば、いとも簡単に「相似の相方」と出会えることができましたね。

 

 では、今回のまとめです。

 

【今回のまとめ】

○直角三角形は、「直角以外のもう一つの角度」さえわかってしまえば、形状を決定できる。

○上記の方法で形状を決定してしまえば、分度器と定規を用いて、紙面上に直角三角形を描き、「相似の相方」をつくることができる。

 

なんか難しめな言葉で説明してしまって、ごめんなさい。

 

とにかく、前回から、ずーっと一貫してやっていること&言いたいことは、

 

「直接的には測りにくいモノを、机上で計算できるように、うまいこと持っていく」

 

ということです。 

 

木の高さも、山の高さも、タワーの高さも、直接測りに行くのって大変じゃないですか。登らなきゃいけないし。

なので、必要最小限の情報だけ得て(今回は、仰角&観測者~対象の距離)、あとは屋内で座ってゆっくり計算できた方が、とっても楽だし、効率的ですよね。

 

ここまでの話が、よくわからなくても、

「あー、これって、楽するためにやってるのね」

ってことだけでも、ぜひぜひ押さえてもらえると、嬉しいです!!

 

 

 

………うは!!!

 

またまた、sin cos tanの出番がありませんでした……

 

が、

 

実は、

 

地味に使ってました。

 

 

実は実は、

 

\tan27^\circ\fallingdotseq\frac{1}{2}

 

なのです。

 

今回、絵で描き続けていた「27° 63° 90°の直角三角形」の「高さ/底辺」はtan27°となります。

この、「高さ/底辺」って、相似を使うとき、ちゃーんと使ってましたよね!

 

だから、ここまでの話の意味が理解できたなら、「三角比」のこと、きっと理解できますよ☆

 

種明かしをすると、

 

200\times\tan27^\circ=100 

 

という計算をして、BCの長さを求めていたのです。 

 

また、次回詳しく解説していきますー!

 

(つづきます)

■つづきの記事

nekomath271828.hatenablog.com

 

■参考記事①

ボーイスカウトのHPに、より詳しく掲載されていました。すごいです!

「仰角計測器」のつくり方まで書いてあります。必見かも…!!

https://www.scout.or.jp/scoutingmagazine/_userdata/media/2014_01_sokuryou.pdf#search=%27%E4%BB%B0%E8%A7%92+%E6%B8%AC%E3%82%8A%E6%96%B9%27

 

■参考記事②

三角比の歴史について、少しだけ言及した記事です。

nekomath271828.hatenablog.com

 

三角比 解説

*1:仰角計測器については、参考記事①を参照してください