のんびりmathematicー数学主婦のブログ

大学院まで数学を専攻していた主婦によるのんびりブログ

数学ができるようになりたい③〜数学は暗記だ!?

数学ができるようになりたい。

f:id:nekomath271828:20171001002422j:plain

と思い続けたものの、大してできるようにならなかった私。

 

とはいえ、さすがに、大学院まで専攻し続けたためか、多少の成長がありました。

それを踏まえて、お話していこうと思います。

 

今回は、「数学は暗記だ!説」がテーマです! 

読むのが面倒な方は、「6.数学での『帰納』と『演繹』」から読んでみてください☆

 

 

1.数学は暗記だ!?

「数学って理解が大事。暗記すればいい、なんて良くないよ!!」

 

という声が、あちこちから聞こえてきそう…。

 

きっと、あの有名な「数学は暗記だ!」の本は、出版当初、物議を醸したのかもしれません。

増補2訂版 数学は暗記だ! (和田式要領勉強術)

増補2訂版 数学は暗記だ! (和田式要領勉強術)

 

今回は、この説を、変な視点から考えてみたいと思います。

 

2.コードの理論

突然ですが、ピアノの話をします。

 

私、下手なんですが、ピアノを弾くんですね。

f:id:nekomath271828:20171031002922p:plain

3才くらいからやっていて、全然うまくならないまま大人になりました…。どんだけ才能ないんだ。

 

下手な上、楽譜が全然読めなくて。仕方がないから、音源を聴いて、曲を覚えながら弾いてきたんです。

なので、クラシックのまあまあ長い曲を弾くときは、結構絶望してました。

 

しかも、譜面通り弾けてないらしく、なんとなーくの雰囲気で弾いちゃうので、

「そこ、ソの音ないから!」と、先生に突っ込まれたりして。

「え!?でも、ここ、ソの音あってもいいじゃん!」とか、思ってました。

 

クラシックピアノを弾くみなさん、こんな不真面目でごめんなさい…。

 

辛いし、下手だし、頑張って練習しても、なんか間違ってるし…

絶望してました。

 

 

しかし、あるとき、革命が起きます。

 

 

「コード」という超便利なものがあって、「コードに乗っかって、自由に弾いてもいい」という「ジャズ」というジャンルがあることを知ったのです!!!

 

ソの音があっても良い世界…!!!

 

なんか、自分が、クラシックを弾いている中で、なんとなく「体感」してたものが、ちゃんと「理論」として存在することを知って、とってもとっても嬉しくなったし、自由な気持ちになりました。

 

この「体感」していたものが、「理論」と繋がって、「実感」する幸せな気持ちって、とっても心地良かったです。羽ばたいていけそうな。

 

まさに、「感動!」です。

 

3.「体感」と「経験」

この「感動!」が、なぜ訪れたかというと、

やっぱり、曲がりなりにも、下手でも、ピアノを弾き続けてたからだと思います。

 

左手で弾く和音やアルペジオが、その小節の「響き」をつくることを実感していたからこそ、「ああ、これがコードなのか!」と、後で、しみじみ感じられたのです。

 

そして、「よくある響きの流れ」が「コード進行」っていうものなんだなあ…とか、色んな実感が、理論と結びついたからこその「感動!」でした。

 

恐らく、楽器なんて全然弾いたことない状態で、「コードの理論」 を知っても、「???」だったと思います。

 

ちゃんと「体感」と「経験」があったからこそ、自分の中に、「コード」のことが、しみじみ入ってきたと感じています。

 

4.経験知

なんか、難しい話しちゃったんですが、要するに「経験知」みたいなものって大事だよねっていう話です。

 

「百聞は一見にしかず」

と言うように、経験して体感して、実感を得ないと、なかなか「理解」というものは訪れない気がします。

 

突然ですが、

小学校のとき「日本の色んな地域の降水量グラフ」を暗記しませんでした?

 

瀬戸内海や、東北の日本海側なんかは、特徴的なグラフだったなあ、と、うっすら覚えています。

 

私の夫は、東北の日本海側出身なんですよ。

 

お正月に行くと、

 

雪雪雪雪雪雪

毎朝雪かき!!

 

大変なんです。

 

なので、「東北の日本海側は、冬の降水量が異常に高い」って、もう体感で理解しちゃいました。

 

こういう「経験知」って、「理解」のための大切な道具になると思います。

 

5.「帰納」と「演繹」

これって、難しい言葉で言えば、

 

帰納と演繹」の「帰納

 

です。

(このブログで書くと、数学的帰納法の話になりそう…)

 

帰納というのは、

具体的事例から、上位概念や一般論を抽出する

みたいなことです。ボトムアップな考え方。

 

「演繹」は、その逆で、

抽象的概念から、具体的事例を生み出す

みたいなことです。トップダウンな考え方。

 

「演繹」の方が、トップダウンだし、効率的です。

一個の抽象的概念から、たくさんの具体的事例に結びつけられれば、ハッピーですよね。

 

つまり、「モデル」や「雛形」があって、そこから色違いの製品がポコポコ生み出される感じです。とっても効率的。

 

ただ、困ったことに「演繹」は、「抽象的概念」からスタートするので、取っ掛かりとしては、わかりにくいんですよ。

 

一方、「帰納」は「具体的事例」からスタートするので、イメージしやすく、わかりやすいです。

 

私のピアノの話に戻れば、

 

たぶん、私が楽器の経験がない状態で、急に「コードの理論」という一般論を学んだら、全然わかんなかったと思うんです。

これは「演繹」が、全然うまくいかない状態です。

 

でも、運良く、私は「ピアノを長年、下手でも弾いた」という経験があったから、「コードの理論」を、経験から理解できたんですね。

これは「帰納」が、うまくいった状態です。

 

6.数学での「演繹」と「帰納

数学の話に移ります。

 

中高数学で言えば、

 

演繹的アプローチ:最初に、定理・公式の成り立ちを理解した上で、次に具体的な問題を解く

 

帰納的アプローチ:まず、いくつかの具体的な問題を解いてみてから、定理・公式の成り立ちを理解する

 

と、なると思います。

 

 ほとんどの教科書は、「演繹的アプローチ」で書かれています。先に、きちんと理由や成り立ちを説明してくれてるんですね。

f:id:nekomath271828:20170930002827j:plain

しかし、先ほどから説明しているように、「演繹的アプローチ」は、大抵わかりにくいのです。抽象的概念からアプローチしていく方法ですから、イメージがつきにくいです。

 

これは、楽器経験のない人が、急に「コードの理論」を理解し、さらに「コードの理論」を使いこなせる状態を目指していくというのに近いです。

 

そう聞くと、「いやいや、それは無茶でしょう」ってなりますよね。

「まずは、ピアノで簡単な曲を弾くところから始めましょうよ。それでイメージをつかみましょうよ」っていう気持ちになるはずです。

 

数学も同じで、最初から「定理・公式の成り立ち」をバシッと理解して、使いこなせる人って、かなり才能のある一部の人しかいないと思います。

ほとんどの人は、最初は「定理・公式の成り立ち」について、ぼんやりとした理解しかできない状態で、問題演習に入っていきます。

 

それで良いのですよ。

 

ここから「経験知」を増やしていくしかないのです。帰納的アプローチで、理解に一歩一歩近づいていくしかありません。

だから、「いまいちよくわからないけれど、とりあえず問題演習をする」って、OKだと思います。

 

「コードの理論」がよくわからなかったから、まずは「ピアノで簡単な曲を10曲弾けるようになろう。話はそれからだ!」みたいな感じで。具体的な経験を増やしていくって、すっごく大切です。

 

7.数学は言語である

少し話は変わるんですが、

 以前の記事で「数学は言語である」という話を書きました。

nekomath271828.hatenablog.com

私は、「言語(例えば英語)のように数学を学ぶ」というのは、一つの正解だと思っています。

 

「よくわからないなあ」と感じても、「とりあえず、ノートに解答を写す」等をして、「数学に触れる時間を、常に持っておく」っていうのはバカにならない行為なんじゃないかって思うんです。

「言語を学ぶ」って、「慣れる・触れる」が大事だから。

 

8.数学は暗記だ…!!

長々話してきましたが、言いたかったことは、

 

①「経験知」を増やし、積み重ね、帰納的アプローチをすること

②「数学という言語」に触れる時間を増やすこと

 

は、数学を学習する上で、かなり大切だと思うんです。

 

そう考えると、「数学を、暗記科目のように学ぶ」っていうのは、そんなに変な話ではない気がします。

 

「とにかく、たくさん問題を解く。数をこなす!」ということを土台に置きながら、「”大事な外せないポイント”を見抜いていく」という。

 

たぶん「たくさん問題を解く」っていうことをしている間に、「よくある解法」は暗記しちゃうと思います。

 

そして、ときには「解答をノートに丸写ししてみる」みたいな写経のような時間もありつつ。

 

これらって、ちょっと愚直に見える方法かもしれませんが、①②のことを考えると、割と理に適っているのかもしれません。

 

「小さな具体的経験の積み重ね」という「体感」と「経験」に重きを置き、実感を伴った「理解」へ向かおうとする学習法です。

 

9.私のオススメ

私自身の個人的なオススメですが、

 

帰納」と「演繹」を行き来しまくる

 

っていうのをやると、すっごく良いと思ってます。

 

数学で言えば、

「定理・公式の成り立ち」を理解しようとする問題を解く「定理・公式の成り立ち」を理解しようとする問題を解く「定理・公式の成り立ち」を理解しようとする………

をループしていくと、深い理解に繋がると思うし、すごく定着率が良いと思います。

 

これをやってると、その単元で「何が大事なのか、何がポイントなのか」が自然と見えてくると思います。「実感」を伴って。

 

一方、多くの人が

「定理・公式の成り立ち」を理解しようとするよくわからない!!(絶望)問題を解く問題を解く問題を解く問題を解く……

となってしまっているなあ、と実感しています。

つまり、「演繹的アプローチ」を、たった一回で諦めちゃってるケースが多いのです。

 

これ、めっちゃもったいないです!!!

 

蓄えた「経験知」を使いきれてない!!!

 

貯金したお金を全然使わないのと一緒ですよー!!!

 

せっかく「経験知」を蓄えたのですから、「上位概念・抽象的概念」を今一度、つかんでやりましょうよ!!!

 

たぶん、「下手でもピアノを弾き続けた私」(経験知を蓄えた状態)が「コードの理論を知って、めっちゃ感動した」帰納的アプローチの積み重ねにより、演繹的アプローチに成功!)っていうのと、同じことが起こるはずなのです。

 

良かったら、「だまされたかも!?」と思いつつ、やってみてください☆

 

(つづきます)

 

参考記事①

「数学ができるようになりたい」の第一弾です。

nekomath271828.hatenablog.com

 

参考記事②

「数学ができるようになりたい」の第二弾です。

nekomath271828.hatenablog.com

 

参考記事③

「演繹的アプローチ」(証明の理解)の難しさについて書きました。

nekomath271828.hatenablog.com